雇用調整助成金は4月1日から特定措置を拡大します。
この助成金は、従業員を休業させる場合に企業が負担する休業手当の一部助成をするものです。
リーマンショック以上の景気後退が予測されていますので、今後従業員の雇用を維持することは容易なことではありません。今回の特例措置の拡大により、支援対象や内容に厚みが増していますので、「休業を実施している」、「これから実施する」という企業は再度、助成金の内容を確認して検討して下さい。また、当初該当しなかった企業が対象となる場合も出てきますので、諦めていた企業は、もう一度内容を確認して下さい。
◆気になること~助成金がいくらもらえるのか?
解雇をしない場合の助成率は中小企業で9/10となっています。しかし、助成される金額には上限があり、対象の従業員一人当たり8,330円までです。
「給料の90%まで助成されるの?」という話を聞きますが、これは誤りです。給料ではなく休業手当に対する助成で、上限が決まっています。
また、「実際に従業員に払う休業手当」と「助成金で支給される金額」は異なります。「実際に従業員に払う休業手当の90%」の助成金額を受けることはできません。助成金で支給される額は「雇用調整助成金額算定書」により算出します。
◆気になること~助成金の受給までどのくらいかかるか?
通常、支給申請から、2か月以内が目途とされます。
◆気になること~【重要】実施する休業が助成金の受給できる流れに沿ってできているか?
この助成金の大まかなイメージは、「従業員を休業させ、休業手当を払うことで助成金を受ける」ことで間違いないのですが、その過程には助成金を受給するための大切なポイントがありますので、注意して下さい。
よくある質問については次のFAQをご覧下さい。
※雇用調整助成金の特例措置に関するFAQ(4月24日版)(リンク先は厚生労働省HP)
【大切なポイント】
①助成対象の企業は雇用保険適用事業所または労働保険適用事業所等です。
対象の労働者は、雇用保険被保険者、雇用保険に入っていないアルバイト・パート(休業のみ対象)
②【超重要】休業する前に労使間で休業協定を結びます(休業協定書の作成)。
(協定を結んだ際の労働者代表選任届、休業協定書は計画届の提出時に添付書類として必要です)
※【重要】協定書の締結日以降の日が助成金の対象となる休業です。
◆休業協定書、労働者代表選任届の見本(リンク先は愛知労働局HP)
③通常は休業開始2週間前に、初回の休業等計画届を労働局に提出します。
「雇用調整助成金ガイドブック簡易版2ページ」に計画の届出に必要な書類の掲載があります。
◆雇用調整助成金の様式集(リンク先は厚生労働省HP 雇用調整助成金)
④しかし、今回の特例の拡大により、1月24日以降に開始した休業等は6月30日までは事後の計画届の提出が可能です。
⑤休業等を実施する期間が終わったら、2か月以内に助成金の支給申請をします。
支給申請時に必要な書類は「雇用調整助成金ガイドブック簡易版2ページ」に掲載があります。指定された様式の他に確認書類として、出勤簿、タイムカード、賃金台帳などが必要となります。
◆雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)(リンク先は厚生労働省HP)(各様式の書き方の見本の掲載あり)
⑥2回目以降、1か月ごとの休業等実施計画届を事前に提出して、実施する期間が終わったら2か月以内に支給申請をします。
※休業協定書の締結期間が1か月の場合は、併せて提出します。
◆雇用調整助成金の申請・相談窓口は、沖縄労働局(職業対策課 電話 098-868-3701)
◆グッジョブ相談ステーションでも、雇用調整助成金について社会保険労務士が相談を受けてます。お気軽にお問い合わせください。